城構を歩く

newmoonakiko2009-01-04

記録に残っている日本の城はなんと25000、江戸末期にはその数は200を切り、天守閣があった城は70ほどだったそうだ。城は明治維新武装解除されたが、昔のままの姿で残っているのはたったの12。あとは昭和になって復元されたという。小田原城昭和35年にコンクリートで復元されたもの。

ただ、城下町小田原のすごいところは、城だけではなく、その城を守る「総構」と呼ばれる土塁や堀の構えである。これらは、何回もの自然災害で土の中に埋もれている部分もあるが、今でもその面影をまざまざと見せてくれる場所もある。今日は、豊臣秀吉の小田原攻めに備え、小田原北条氏が構築した総延長9kmの外堀を歩いた。

小田原の中心地から20分ぐらいをぐるりと回る遺構があり、その辺りは茶畑やみかん畑が広がっている。また、その眺望の素晴らしさは、まだ観光化されていない小田原の魅力が眠っているように思えた。写真は、城南中学校裏のからたちの道の途中にある御鐘ノ台から石垣山を望む。石垣山は、秀吉が一夜城を築いた山。北条方は、ここから豊臣方の動きを見ながら、お城の中で小田原評定をしていたのかもしれない。

歴史好きにはたまらない情景なのだろうが、私には兵どもの夢の跡と見えた。小田原の街づくりという時、駅前から小田原城だけではなく、総構の内側約350haを視野に入れたら、もっとダイナミックな構想も浮かびあがるのではと思えた。