城のある町で

花湧かす古城を据ゑて町古き  飯田九一

飯田九一は、横浜市出身の日本画家であり、俳人俳画家でもある。また、俳諧関係の収集家としても有名だそうで、ことに芭蕉、其角、蕪村等の短冊のコレクションは、専門家のあいだでも、質の高さを認めらているという。

「花湧かす]
この花とはもちろん桜である。今年も、もうすぐ小田原城周辺は花に埋まる。

「古城を据えて」
城を中心に置いてといった意味かな?

「町古き」
暮らしている人間にとっては、古い町なのか新しい町かもわからない。ただ、飯田九一は1970年に亡くなっているので、この句は40年以上前の句だが、町並みも住む人も今以上に歴史を感じさせたのだろう。

長い間工事中だった馬出門がいよいよお披露目する。満開の桜の中でということになる。

3月29日(日) 9時〜9時30分 馬出門開門式

刻(とき)ひらく花の門から城の門