[食]野菜の価格

newmoonakiko2009-04-04

いま、野菜農家は価格の安値に困窮しているという。特に温室栽培の盛んな宮崎、鹿児島県などは、ピーマン、トマト栽培の農家が作付けの変更、離農を余儀なくされている。生産費をカバーできないというのだ。

そういえば、市場のセリの光景は最近見ない。小売店は他の店よりも安く売るために安く仕入れるように仲買人に注文。仲買は野菜を最初から安い値段設定で大量に買う契約をする。まとめ買いするから安くしろというわけだ。農家にとっての適正価格が考慮されているのか疑わしい。

さらに、日本の1/20の物価といわれている中国で作った野菜は、どんなに流通経費をかけても日本産の野菜とは比較にならないほど原価がかからない。安値競争には負ける。

農水省では野菜の価格安定政策に税金を投入して生産者を守ってきたが、いつの間にか安値安定という消費者側の政策になってしまった。これからは、価格安定ではなく経営安定政策を切望するという声が聞かれる。民主党の主張する戸別所得補償がこれにあたるのだろう。

小田原近郊の農協が経営する直販所「朝ドレファーム」は年商6億という盛況ぶりだが、生産者の高齢化は急速に進んでいる。いつまでも、地場の野菜を食べられるという話ではない。佐賀の農民山下惣一さんは、「我々農民は食えなくなったら農業を止めるまでの話。あとのことはあなた方の問題」とニベもない。

いよいよ、そういう時がきているのだ。考えるまでもなく、農業で暮らしをたてられるだけの価格に変えていかなくては。しかし、野菜の適正価格とはいったいいくらぐらいなのか?大根1本500円?