[暮らし]核廃絶

newmoonakiko2009-04-07

世の中のステージは変わってきているのかもしれない。と思わせたのは、やはりアメリカのオバマ大統領の演説だ。

「全面核戦争の危機は去ったが、(核拡散により)核攻撃の危険性は高まった。米国は、核兵器を使った世界で唯一の核大国として、行動する道義的な責任がある。核兵器のない平和で安全な世界を目指す米国の決意を宣言する。 時間はかかるが、世界を変革できることを信じる。そう、私たちにはできる。」

はっきりと核兵器を使った道義的責任まで言及したのは、オバマ大統領が初めてだろう。この言葉は、唯一の被爆国である日本人として厳粛に受け止めたい。1945年以降、核兵器が各国で保持されても使用されなかったのは、日本人の尊い犠牲があったからだと思いたい。

今、アメリカの核の傘の下で日本の安全は守られている。オバマ大統領は、「世界に核兵器が存在するうちは米国は安全な方法で核兵器を維持する。敵を抑止し、同盟国に安全を保障するためだ」と続ける。そして、ロシアとの新しい軍縮条約の締結を目指し、交渉し、核実験全面禁止条約(CTBT)発効に向け、(発効条件の一つである米国の)批准を強く求めるとしている。

さらに「核兵器用の核分裂物質の生産を、検証可能な方法で禁止する新しい国際条約(カットオフ条約)と核拡散防止条約(NPT)体制の強化に努める。査察を強化するための資源や権限が必要だ。核拡散を防ぎながら各国が核を平和利用できるよう国際的な枠組み「核燃料バンク」を創設すべきだ。」としている。問題はここだ。なにか素晴らしく聞こえる「核燃料バンク」の正体は、明らかにされなくてはならない。

日本は平和の追求をやめたわけではない。皮肉にも、アメリカ大統領によってそのことを思い出している。
プラハで演説するオバマ米大統領=AP