[演劇]こゆるぎ座と北條秀司

newmoonakiko2009-04-08

戦後すぐに産声をあげた小田原の市民劇団「こゆるぎ座」。その育ての親が、大衆劇作家の北條秀司さんだ。ある本で読んだのだが、小田原南町に住み、劇団員の演技指導をしながら、小田原の演劇青年との交流するさまはまるでドラマそのもの。

その北條秀司の代表作「王将」が、小田原市民会館で上演された。王将の第1部は小田原で完成されていたが、今まで小田原で公演されたことはなかった。公演は、新国劇の流れをくむ「劇団若獅子」が上演し、三吉役を演じた緒形拳さんの追悼として全国で公演されている。小田原公演は、一人娘の美智留さんのたっての希望で実現した。父上がいかに小田原を愛されていたかを知っている肉親ならではの願いだ。

3部4時間。フル公演だったが、久しぶりに大衆演劇のおもしろさを堪能した。考えてみれば、市民が北條秀司の舞台を望むのが筋だったのかもしれない。新ホール完成の折には、ぜひ再演をお願いしたいものだ。