豚インフルエンザ

newmoonakiko2009-04-28

豚は、ああみえても繊細な動物で、すぐに風邪を引くのだという。体重100Kgもある豚を4畳に10頭以上も押し込めば、ストレスやフン尿の悪臭で病気にもなる。そこで、養豚には大量の抗生物質が使われている。大きくなるまでは、配合飼料に抗生物質が、その後は動物性医薬品が体重換算して使われるのだそうだ。もちろん、獣医師の「指示書」が必要だが、だんだんと歯止めがきかなくなっているという。7割の豚が病気にかかっているというから、わからない話ではない。豚のお腹の中でできた耐性菌が、とうとう暴れ出したということだろう。

豚インフルエンザが一番危険で、人間に感染する可能性が高いと聞いていた。で、ついにメキシコ、アメリカ、カナダで死亡者が出た。舛添厚労大臣は、「豚インフルエンザのワクチンを早急につくる態勢を組みたい」と言っているが、それは無理。畜産の大規模化と動物医薬品の使用を厳しく制限することも考えなくては。このままいくと、必要とする人たち、ことに子供たちに抗生物質が効かなくなる。これも、食に安さを求めた私たちへの動物たちからの警告なのだろうと思うが、そういう視点からの新聞報道はない。

しかし、日本には抗生物質を使わずに健康な豚を飼育している農家がたくさんある。有用微生物を上手に使っている養豚場をいくつか取材したこともある。どこも、豚舎はアンモニア臭さもなく、豚たちはのびのびと健康そのものだった。でも、当然ながら経営はとても厳しい。

以前、少し高くても品質のよい食べ物を買おうよ、と言ったら、若いお母さんに「なににお金をかけるかは価値感の問題。食費よりも車にお金をかけたい」と切り返されたことがある。こういう人にどういう薬が効くのだろうか?

詳しくは、「食べ物から広がる耐性菌」(三五館)を。