キングコーン

何を食べるかは、個人の自由。ごはんだろうが、パンだろうが、スパゲッティだろうが。しかし、アメリカのトウモロコシの生産高は、世界のほぼ半分。世界の人々の半分が、コーンをそのまま食べてはいない。コーンを食べた家畜の肉を食べる。コーンシロップが入った清涼飲料水として飲む。コーン油でできたマーガリン、コーン油で揚げたドーナツ、お菓子。その他、添加物の原料などなど。食料輸入国の日本が、一番コーンを食べていることになるという。

遺伝子組み換えしたコーンの種を撒き、プログラムの通りに農薬を入れ、大きなコンバインで収穫するだけの大規模農場。土地代、種代、機械のローン代、燃料代を足したら、補助金をもらっても赤字になるので、小規模ではできない。アメリカにも多種品目を栽培する農家がいないわけではないだろうが、コーン畑には農民はいない。ただの労働者だ。

コーン、コーン、コーン。出来過ぎるコーンをどう人間に食べさせるか、アメリカ政府は頭を悩ませている。問題は、このコーンが人間の健康に役立つどころか、害を与えていることである。アメリカ人は、ようやくそのことに気がついてくれたらしい。食の問題は、自己責任の範疇を超えている。あなたの肥満はあなたの責任ではありません。

この映画は、ただいま、東京で公開中ですが、11月の第3回国際有機農業映画祭でも上映します。
http://www.espace-sarou.co.jp/kingcorn/top.html