[食]小食は世界を救う

「肥満増加で温暖化加速」という記事が、毎日新聞に出ていた。肥満の人の割合が、全世界で欧米並みに高まると10億人当たりの温室ガス排出量は二酸化炭素換算で最大10億トン増えると、ロンドン大衛生熱帯医学大学院がまとめた。研究チームは、体重が増えると身体の維持や活動のため、より多くを食べなくてはならなので、食料生産の需要が高まる、車の燃費も増加すると想定。太りすぎ社会では適正体重社会より食料生産に必要なエネルギーが10億人当たり19パーセント増え、排出量も年2,7億〜8,1億トン増加、車の燃費では太りすぎ社会の増加分は、4.4億トン〜9.8億トンに試算。ようするに食べすぎは食料エネルギーを無駄に使い、歩かないために車の燃費を増大させるということですね。

英国人は、そんなに太っているのだろうか。こういう試算が説得力を持つんだろうか。実に面白い。英国王室は、率先して代替医療の普及を行っているというし、チャールズ皇太子は、自ら有機農業をしているそうだし、国をあげて健康問題に取り組んでいると聞く。研究チームのフィル・エドワード博士は、「健康体でいることが温暖化防止抑制にもなる。自転車利用の促進、都市部の自動車乗り入れの課金、野菜の摂取などの肥満予防と温暖化対策の両方に効果のある施策を推進すべきだ」と指摘している。欧米諸国では、肥満が緊急の問題なのだろう。

全世界の人々が肥満になることはないから、実際はこのような心配は無用。この記事を読んで、思い浮かんだのは甲田光雄さんの持論「小食は世界を救う」だ。人間が必要とする穀物を家畜の飼料にすることで、人間が飢え、家畜を飼うことで大地が枯渇する。肉食を減らし、穀物と野菜を中心に食べれば人間は健康になるという説だ。そう考えると、英国がなぜ今このような試算をしなくてはいけないかが、おぼろげに分かる。この国から狂牛病も始まったし。

先日、英国を旅してきた女性によると、「田んぼ」に英国人が注目していたという。腹八分目の「和食」が肥満防止、温暖化の防止に役立つ。ますます、肥満人は生きずらいよ。クスン。