のびやかな女たち

家のかたづけをしている。ずーっとしている。いつ終わるかわからない。資料はもう少しとっておきたいので、本を整理して、置き場を作ろうと思う。昔の本がいろいろ出てきて、ちょっと読んだりして・・かたづけの悪いパターンに入っている。その中の1冊、「のびやかな女たち」松本路子写真集だ。女性カメラマンが少ない時代に女が女を撮るということで話題になったもの。時は、1970年代。ウーマンリブ運動に沸く女たちをまったく同じ地平で撮影したことになる。

その中で、今見てもどの写真家よりもすばらしいと思うのが、オノ・ヨーコを撮った写真だ。「日本の女たちの写真を持っているが、見ないか」とニューヨークから電話を入れて、OKをもらい、そのままヨーコの家に泊まって、写真を撮り続けたという。「自由な女は表情がとても豊かで美しい。自由に生きたいという思いがそうさせる」と当時29歳の松本の言葉が甦ってくる。私も20代。女が女であることで「夢」を見られた時代だった。

それから、30年。数年前、バラの栽培家としての松本路子さんを新聞の家庭欄で見つけた。「のびやかな女たち」の被写体となった女たちも、還暦を過ぎたことになる。どんな30年であったのか、「のびやかな女」であり続けられたのか、今も自由に生きたいと思い続ける女であるのか聞いてみたい。