[食]遺伝子組み換え食品

日本の食糧自給率は40パーセントだが、残りの60パーセントはどんなものなの?それは、油や醤油、牛や豚やニワトリの飼料。大豆の自給率は5パーセント、小麦11パーセント、ともろこし0パーセント、菜種0パーセント。これらでできているものを食べている以上自給率はあがらない。

輸入穀物の多くはアメリカ産遺伝子組み換え種子からできた作物。日本では、大豆、ジャガイモやトウモロコシの加工品の一部に表示義務があるが、家畜の飼料、醤油、油には、遺伝子組み換えであることを表示する義務がない。分別して輸入した遺伝子組み換えではない原料を使った食品には「遺伝子組み換えでない」という表示ができるが、なんと95パーセントでよいのだ。「遺伝子組み換え不使用」と書いてあれば、100パーセント遺伝子組み換えではないと思うよね。最近、納豆にこの表示が目立つけど。

EUでは、遺伝子組み換えが0・9パーセント入っていれば、すべて表示義務があるという。だから、日本の某醤油メーカーは、日本人には遺伝子組み換え大豆を使用し、EUへの輸出用醤油には遺伝子組み換えを使用していない。こんなことでいいのか、と安田節子さんの話を聞いて腹を立てたのは、私ばかりではないだろう。
国産大豆を使い、きちんと熟成させた醤油を醤油といい、そういう当たり前の醤油を日本人に提供するのが企業の誇りではないか。

自給率の問題は、安全性の定まらない遺伝子組み換え食品を食べ続けるのか、いいかげん自分の国の安全な食を食べるのか、そろそろ決めないと私たちのいのちの危機だと思うのだが。穀物の自由化とともに地域の農地が消え、地域の醤油醸造所が消え、味噌蔵が消え、ついでに酒蔵も消え、小さな食品工場が消え、小さな商店が消え、この先は大きなスーパーが消えて、あ、あ、その後は、考えたくもない。「この先に」なる前にすることは決まっているのだが、経団連のおじさまたちの頭が変わらない。

ところで、ご両親の介護を終えた安田さん。闘志満々心強いお姉さまの復帰だ。