どんと焼き

久しぶりにあたる焚き火。いや、ただの焚き火じゃない。門松や注連飾りに出迎えた歳神さまを炎とともにお見送りするわけだが、あまりそういう精神性は感じられない。「ちょっとちょっと、私は天に帰るんだからね」と歳神さまが言っているようだ。神様は見えないからね。

そもそもこの行事は1月14日の夜または1月15日の朝に行うというのだが、今や学校の休みの関係で前倒しされてしまった。上新粉で作った三色団子を火で焼いて食べる、この習慣は子ども会のお母さんの努力で細々と続いている。灰は持ち帰って家の周囲にまくとその年の病を除くと言われているが、灰は捨てる場所がないので燃えるごみに出すという。こちらの習慣は絶えたのだろう。

門松や注連飾りは、今や中国製だ。日本の稲わらはほとんどない。昔は、自然のものだけで作られた注連縄も今ではビニールなどでできている。自治会の役員がていねいに燃えないものを取り除いていた。歳神様、また来年ね。