[暮らし]破壊と建設

有機農業や自然農法を実践している農家がTPPをどう考えているかは、大変興味のあるところだ。一足先に慣行農業に見切りをつけ、自然環境を守り次世代のいのちを守るという本来の農業に転じている人々にとって、今更どうということはないというのが表向きの考えである。ただ、稲作農家は地域と密接に関係しているわけだから、地域の水田が耕作放棄地になることは水管理上死活問題だ。有機農業といえども農業をいう大きなプールの中に存在しているのだから、一蓮托生であるとは思う。どんなによいものを作っていても、グローバル化の嵐に耐えるかどうかはわからない。

福井市越前町で行われた「全国EM技術交流大会」で、比嘉照夫名桜大学教授はTPPに触れて、「農作物の価格に対する補償ではなく、農業の環境保全機能と国民の健康を保障する農産物の提供に関して、税金の投入をするべきだ」と提案していたが、そういう意味では、目指すべきはEMをはじめとする新しい技術での有機農業であり、それ以外に道はないように思うがどうだろうか。

TPPについては、勉強すればするほど、農業の問題だけではないことがわかる。一番の問題は、食の安全、労働、医療などを含めて各国の法律を捻じ曲げる可能性が高いことだ。今まで築き上げてきた国民の権利を犯されることになる。みんなの党は「尊農開国」といっているが、こんなコピーで騙されてはいけない。TPPを粉砕して、そのエネルギーで次の時代の建設につなげる。これは、もう政治家でもなく学者でもなく企業の経営者でもなく、無名の普通の人間、ひとりひとりがもてる力を出し切らなくてはいけない。

写真は、TPPとTPPが私たちの暮らしにもたらすさまざまな問題についてわかりやすくまとめたパンフ。「TPPって何のこと?」「私たちの暮らしとどう関係あるの?」と感じている方にとって入門書として役に立つ情報が書かれている。地域や職場、学校などで学習会などをする際のテキストとしても最適だ。希望の方には1冊100円(他部数の場合割引あり。送料は別途)で送ってくれる。
★申し込み方法
○ウェブサイトから:http://www.parc-jp.org/teigen/2011/anti_tpp.html
○電話・FAX/E-mailで:下記の事務局まで問い合わせください。
 「TPPに反対する人々の運動 100円パンフレット係」
 特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC) 
 Tel:03-5209-3455  Fax:03-5209-3453  
 E-mail: office@parc-jp.org URL: http://www.parc-jp.org/
★発行:TPPに反対する人々の運動
   http://www.geocities.jp/yaoyahyakusho/muramachi/home.html
★概要:A5版/28ページ
★内容:
【Part.1 TPPってなんだろう?】
TPPって、なんですか?/なぜアメリカが参加しようとしているのですか?/ア
メリカにとってTPPはどんな意味があるのでしょう?/なぜ日本政府はTPP参加に
乗り出したのでしょう?/TPP は経済に関する協定ですから経済的な意味もある
のでしょう?/政府の試算では、TPP 参加のメリットが高く評価されていますが?
/中国や韓国、インドなども今後はTPP に参加する可能性があると政府や財界は
言っています。日本も早くから参加するべきでは?

【Part.2 TPPでわたしたちの暮らしはどう変わる?】
なぜ、TPP がわたしたちの「当たり前に生きる権利」を壊すことになるのでしょうか?

農業/食/労働/ビジネス環境/医療/国土・環境/公共サービス・地域経済

【Part.3 わたしたちのオルタナティブを提案します】
1 内需を大切にする経済/2 地産地消で地域自給圏を/3 働く人の権利を
まもる/4 安心して暮らせる循循型の地域を

小田原でも、すぐにでも学習会をやろう!
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