それでも種をまく

「それでも種をまく」が、今年度の国際有機農業映画祭のタイトルに決まった。
http://blog.yuki-eiga.com/
「それでも食べつづける」いや、「それでも食べなくてはならない」私たちは、福島の農民と作物を通して「つながり」を持てなくした東電に対して、共に抗議しなくてはならない。福島の農民の怒りは消費者の怒りなのだ。以下は、福島県農民連の根本事務局長の抗議文。

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原発核兵器 私たちの未来
特別シンポに寄せて

福島を放射能で汚した東電はあらゆる損害を補償せよ!

福島県農民連事務局長根本 敬(ねもと・さとし)

農家の動揺が収まりません。
私たちは、原発事故の「被災者」のはずです。
ところが、放射能汚染の土壌調査結果が発表されると、農家のあせりと不安をかわすために、前のめりとも言える状況が広がり、一部の地域を除いて、行政・農協が農作業の自粛を解除しました。
しっかりとした調査と分析、その後の対処も曖昧のまま、作るか、作らないかの判断が農家に任せられてしまいました。
「危ないとわかっていても、作らないと損害の対象にならない」こんな馬鹿げた話があるでしょうか。
まだ原発事故は収束の見通しも立っていないのです。放射性物質の飛散は止まっていません。土壌の汚染は続いていると思います。作物の汚染も続いていると思います。政府が言う「直ちに体に影響を与えるものではない」という暫定値だけが一人歩きしています。私たちは、安全が「担保」されていない状況で物を作っていいのだろうかと毎日揺れています。
消費者の過剰な反応を「風評被害」だといいます。いま現実に起こっていることは、根も葉もない風評ではありません。東電が起こした原発事故による放射能が大地と作物を汚染している実害です。「風評被害」で片付けることは、消費者に責任をなすりつけ、東電を免罪することです。心ある方々から「福島の産品」を買い支えたいという申し出がきます。こういうみなさんに、私はこう答えています。「お気持ちはうれしい。でも、みなさんにお願いしたいのは、『東電はあらゆる損害をすべて補償せよ』という世論を消費地で起こしてほしい。私たちが安心して作物を作れるようになるまで
運動を継続してほしい」と。
私たちは、豊かで美しい福島を取り戻すために農民として生き抜く覚悟です。
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東電は、すべての福島の農民に補償を。消費者も安全の担保できない野菜は食べない。その責任はすべて東電にある。農民も消費者もいずれも守れない国にも。