[暮らし]宗教科学

311震災から3ヶ月が過ぎ、犠牲者は行方不明者を含め2万5千人になった。もしこの天災が神様のなさったことだとしたら、犠牲になった方はかならず天国にいかれたと私は信じる。被災地では、宗派を超えた宗教者災害救援ネットワ-クが立ち上がり、さまざまな活動を行っているという。神も仏のないという状況下にこそ、宗教者の役割は試される。
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このネットワークを立ち上げた東京大学大学院人文社会系研究科島薗進教授が、飯舘村で講演した中川恵一教授と緊急討論会を行う。中川教授は「福島のお母さん方は、子供を外に出さないとかはおかしい。すでに空気中には物質がないのだから。お母さん方に無用な心配をしなくてよい」と発言。ちなみに長崎大学の山下俊一教授も「飯舘村でガンのリスクはゼロ。ガンになった場合、今回の原発事故に原因があるのではなく、日頃の不摂生」 と話したという。

国立がんセンターの初代センター長を父にもつ島薗教授は、疫学的見地だけ調査して人間を見ない医学のあり方に大いに疑問をもち、医学から宗教学への道を選んだという。計画的避難地域で専門家が上のような発言をして誰が安心するだろうか?むしろ、お母さんたちの不安はさらに大きくなると思う。お母さんたちは、安心させてくれと言っているのではない。どうすれば、今の状況から生き延びられるか助けて欲しいと言っているのだ。

こうした科学者に対して、生物学者や土壌学者や教育者や政治家が異議を申し立てしていくことはできないのだろうか。この討論会は一般市民にも公開される。

7月8日(金)午後1時30分本郷キャンパス文学部一番大教室 入場無料  東京大学緊急討論会「震災、原発、そして倫理」
提題者 島薗進(人文社会系研究科)中川恵一(医学系研究科) 影浦峡(教育学研究科)
伊東乾(情報学環)モデレータ兼コメンテータ一ノ瀬正樹(人文社会系研究科)