[食]福島

まさかこのような中で「までいの力」の発刊になろうとは とまえがきで福島県飯舘村菅野典雄村長が書いているが、読むほうも、まさかこんな中で「までいの力」を手にするとはという想いだ。誇り高く自立自給の村づくりを進めてきた飯舘村福島第一原発から40km圏に位置しながら、土壌の放射線量は高く「計画的避難区域」に指定された。HNKでも村の苦悩が放映され、なんで、こんな理不尽なことが・・と天を怨んだことだ。福島の犠牲の上にある私たちの暮らし。お互い様という「までいの力」にはあまりに不平等な関係になってしまった。

福島で有機野菜の流通を作りあげてきた幕田さんのブログに福島の農家の奮闘が記されている。おいしそうな桃。新鮮なトマト。今年の生りはすばらしいとも聞く。でも、売れない。放射能から逃げない。可能性を信じてあらゆることを実行する農家の姿。真実を知ってなおかつ怖れない。そういう生き方もこれからは必要かもしれない。

人の姿のない飯舘村には、さわやかな風が吹き、蜩が啼いているという。変わりない夏に誰もが胸のうちで泣いている。
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