[食]原因と結果

小田原といえば、ブリ。昔、私が子どものころ、父は木工の仕事の関係で東京から毎日小田原に通っていた。魚市場の社長さんは親友で、だからか時折り、ブリ1本抱えて帰って来た。小田原のブリ。ブリの小田原。ことに寒ブリは子ども心に最高のご馳走だった。なんだって昭和30年代は、漁獲高日本一。年間50〜60万匹だったのが、今年7月180匹獲れて大漁というニュースになった。

当然ながら、小田原に暮らして地場産天然ブリなどめったにお目にかかれない。なんで?その理由は
①酒匂川の上流に三保ダムをつくったこと
②飯泉に取水関をつくったこと
③海岸線の近くに西湘バイパスをつくったこと
人間の都合で自然をかえるとその環境に魚は合わせられない。

11月19−20日、「ブリが戻る海」をテーマに小田原でシンポジュウムが行われるという。「森は海の恋人」の著者、宮城県気仙沼市の牡蠣養殖業の畠山重篤さんがゲスト。ダムと高速道路とブリとの共生。このテーマはいかにも小田原らしい