土と平和の祭典

てんこ盛りの脱原発大会だったけど適度にゆるいのは都会ならでは。福島の苦悩、都会の憂鬱。この状況を全体で分かち合うことはできるのかが、私のテーマだった。放射能から子供を守る福島ネットワーク代表の佐藤幸子さん。彼女の家業も有機農家だ。ニューヨークの国連本部前で野田首相をつかまえ演説した佐藤さん。ものすごく厳しい顔になっている。子どもを守ることで対立関係が生まれている。そうならないように心したいと話していた。一方、全国子どもネットのいとうえみこ代表の表情は柔らかい。同じ運動をしていても、当事者意識の差がうまれてしまう。切ないな。

メインステージでの農家のデスカションでは、福島から北海道に疎開して営農を始めた青年に加藤登紀子さんが、「新しく別の土地で農業を始める選択もありだよね」と振ると「僕たち若い世代はそれでいいが、福島で死にたいという親たちを見捨てられない」と淡々と答えていた。こんなに優しい若者を苦しめている。切ないな。

ただひとり小川町の金子美登さんは元気。「食べるものも、エネルギーも自給しとけば全然困らない」。四国の山下一穂さんもある意味あけらかん。「今からでも遅くない。1種類でもいいから野菜の種を播いとけ」と家庭菜園をすすめていた。実行委員長のYAEさん、「原発のゴミとはうまくつきあって生きていくから、団塊世代から上の人は責任をもって止めて」に山下さん「まかしとけ」って大丈夫かとは思うが、こういう会話はテレビでは聞けない。ちなみにYAEさんは2児の母。父藤本敏夫さんの意思を受けて、千葉鴨川王国を切り盛りしている半農半歌手だ。http://www.tanemaki.jp/saiten2011/