雪の下の小松菜
田中壮介さんは、ホウレン草・小松菜を通年一貫して生産する専業農家。高島屋の二子玉川店では、夏を除きこの野菜のコーナーを設けるほど多くのお客様に支持されている。が、311以後この地域の露地のホウレン草、小松菜は出荷規制されてしまった。田中さんのものから検出されているわけではないのだが、出荷したくともできず、毎日刈り取っていたという。出荷できないからには収入はなしで、やむなく従業員の奥さん方にはやめてもらうほかなかった。しかし、いつ出荷解除になってもいいように種は蒔いた。出荷解除になってもなかなか注文はこなかったが、秋になって高島屋からの発注があった。正直、うれしかった。
どこよりも安心で、おいしいホウレン草や小松菜を生産してきたプライドが、ずたずたにされるかどうかの瀬戸際にあった。私は話を聞きながら福島の農民がんばれ!とつぶやく。
田中さんの自慢のEM鶏ふん堆肥。もちろん、放射能検査をして土に入れている。