私たちは廃棄物じゃない。

品川宣言は、2011年9月「福島原発事故からいのちと食を守るネットワーク」が東京で開催した集会での宣言文である。その中に「汚染の高低にかかわらず、福島県産の物は<低レベル廃棄物>である。県外に拡散することは<殺人予備行為>に他ならない」とある。

福島の農家の生計の手段を奪った以上に生きる意味を見失うほどの打撃を与えているのは、こうした都会の高慢ちきな論理にある。差別を一番嫌悪する人たちが、差別に鈍感になる、この構造は、人間のもっとも醜悪な習性なのか。と自分を省みている。

大内有子さんは、福島市の果樹農家を夫とともに経営しているが、この2月ニューヨークで行われる第56回国連女性の地位委員会で女性農民の代表としてスピーチすることになった。この10ヶ月、たまりにたまった思いを世界に向けて静かに語りたいという。

私も農家の人たちと語り合うなかで、当事者のさも近いところで発言していきたいと肝に銘じている。