放射線抵抗性細菌

マウスなどの致死線量の700倍以上放射線に照射されても、全く影響を受けない細菌が自然界に存在するという話は、野呂美加さんから聞いた。それらの放射線抵抗性細菌は、普通の自然環境下にも広く分布しているが、生態系の中で優勢になることはなく、照射によって他の一般の微生物を死滅させた後でないとほとんど検出できないほど数が少ないんだそうだ。放射線抵抗性細菌を発見した鳴海先生は、DNAを修復し、ウランを還元するまでいっている。野呂さんが何をいいたかったかというと、この話しが事故後、全然出て来ない不思議だ。この先生は原発推進派だというから、別に叩かれることもあるまい。「鳴海先生は動物の遺伝子の修復をする試薬をつくられたが、人間に認可されるのは、...相当時間がかかるし、バイオハザードのように変質されてしまう怖さも感じる」ていう野呂さんの不安もわかる。しかし、普通の自然環境下にも広く分布しているが、生態系の中で優勢になることはなく、他の一般の微生物を死滅させた後で出てくるというのは、光合成細菌の性質にとても似ている。放射線抵抗性細菌が薬剤会社と原子力村の利潤の元菌にならないことを祈る。