小田原産清見オレンジ

ミカンの大産地、愛媛では街中にミカンの大袋が売られていて、地元の人は、ミカンなんて見たくもないだろうなと余計な心配をしたものだ。小田原でも、1家に1軒ミカン農家がいて、ミカンには事欠かなかった。

しかし、幸か不幸か、小田原は愛媛ほどの大産地というわけではないので、今では街を歩くと5個ぐらいづつ小袋で売っている。昨今は、ミカンだけではなく、さまざまな種類の交配ミカンが並んでいて、ちょっと楽しい。暮れの少し酸っぱいミカンから、初夏の夏ミカンまで、小田原市民は年の半分柑橘類を楽しむ。毎日、新鮮なオレンジジュースが飲める。このミカンが、牛乳にかわって地域の子どもたちの宝物になるだろう。定年退職してミカン農家を継がないまでも、地元のためにつくり続けて欲しい。

ひょうんなところで出会った清見(きよみ)ちゃんは、小田原産まれ。温州ミカンとトロビタオレンジを交配させて作られたとかで、皮はむきづらいが、とってもジューシー。清見は、作り出された静岡県清見寺(せいけんじ)に由来するそうだ。「はるみ」とか「せとか」とか、一連の女の子の名前かと思った。

この「清見」は、自然農法に移行中のものとか。こちらは、お外用の逸品だ。東北にはミカンが育たないが、小田原ではリンゴは育たない。ミカンとリンゴと物々交換したらいいね。