おひとりさまの食事

母は、完全なひとり暮らしではなかったが、晩年の食事は貧しかった。想像するに甘いパンやお菓子で1食、いや2食をまかなったいたのではないか。お金がないわけではない。食べる気力がなくなった時、すぐに簡単におなかを満たすものがあって、それがいのちを満たすものではなかったことが問題だった。そんなこんなで、ひとり暮らしになってもきちんとご飯が食べられるかが、これからの私の命題になった。たとえば、疲れて帰る道々、揚げせんべいを食べる。カロリーは1袋500カロリー。家に帰ると玄米を炊く気力は失せる。

世の中には、たとえ一人の食事でも、器を揃え、品数を確保する人もいるが、そんなに料理好きではない私には、無理。そこで、いかに機能的にしかも気分よく食事が作れるかに重点をおいた。ガスレンジをピンクにしたのはそのひとつだが、大皿とスープ皿を同じ大きさにして色を変えた。なにしろ、この30年で、家族が6分の1になったのだ。大小さまざまな器はいらない。家族が揃えば、それぞれ色違いを使う。ひとりは、毎日色を変えてワンプレートの食事だ。とにかく、皿洗いの効率化を図りたかった。これは、なかなかよいアイディアだったようだ。元気のない日は赤の皿、落ち着いた日は白かな?

本日の朝ごはんは、さつまいも入りの玄米ごはん。卵焼き、小松菜のおひたし、昆布、梅干、キュウリの古漬け。渋い。渋すぎるけど、このご飯だと便秘しない。