池田香代子さんのこと

池田香代子さんは、1948年生まれ。日本のドイツ文学者・児童文学者・翻訳家・口承文学および都市伝説研究家・エッセイスト、平和運動家とある。世界平和アピール七人委員会のひとりで、今年6月の原子力基本法の基本方針に「安全保障に資する」と加える改正案の撤回を求めるなど活発な活動を行っている方である。 ベストセラー『世界がもし100人の村だったら』を世に出し(最初に訳したのは、中野裕弓ともいわれている)で、その印税すべて、世界の難民を支援する団体に寄付をしたという。3・11以降、脱原発運動の先頭にたって発言していたなかなかの女性なのだ。といっても、お会いしたことはありません。

しかし、昨年のいつ頃だったか確かではないが、EMを広めている人達とは、一緒に反原発の運動はしたくないと発言。EMと池田さんがどのような関係があるのかまったくわからなかったので、「おやっ、何で」という思いでいた。ところが、このエッセイというか記事というかわからないが、この文章にはあきれるというほかなかった。

まず、新陳代謝が激しい子供は排出も早い。そこは、池田さんは間違えてはいません。でも、出るほうばかりを強調して、入る方を意図的に隠している。子どもは、成長に栄養が必要なので、取り込む量も多い。大人は、子どもほど細胞分裂しないのでゆっくり入り、ゆっくり出ていく。したがって、放射能内部被曝の影響は、子どもの方が甚大です。今すべきことは、子どもたちに1ヶ月程度の保養や転地療養をさせ、安全な場所(空気)と安全な食べ物を保証してあげることなのです。ずっとあなたの味方ですって?どうして味方なの?と避難しているお母さんたちは思うではないでしょうか?この記事が掲載されたのが、長野のローカル紙でよかった。でも、励まされているように見えるけど、その本心はすけてみえたお母さんたちもいたのではないでしょうか?「じゃ、大丈夫なんていう根拠を教えてくださいな」

EMを科学的根拠がないとたたき、微生物が放射能を低減させるわけがないと面白おかしく笑い飛ばして、福島の子どもたちの38パーセントに大なり小なりの甲状腺異変があり、100万人にひとりなるかならないかの甲状腺ガンの子どもがいるというのに「思ったほど健康に影響がなくてよかったね」という人を信用はできません。だからといって、池田さんと一緒に脱原発運動をやりたくないなんていいません。そもそも、脱原発は表向きだったのでは。どうぞ、もっと真摯に未来に向き合って発信していただきたいと願うばかりです。

俵万智さんの右の歌は知っていたが、まだ恋も知らぬ・・の歌ははじめて読んだ。真摯に未来に向き合っている母の心情がありありとわかる。「ただちに」が意味のない言葉とおなじように池田さんの文章が、意味のないものであることもわかるではないか。

今、疎開もできずにいる福島の母たちも、毎日精一杯できることをやって子どもを守っていると思う。国を動かすべき人が動かさず、発言できる文化人もだんだん弱腰となり、従来の運動家もかけひきで終わるならば、誰が福島の人々を守ることがきるだろうか。一人ひとり、名もない母が本気で立ち上がるしかない。まだ、何も変わってはいないのだから。

池田香代子さんの「避難したあなたへ」↓
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