無農薬みかん

みかんの大生産地・紀州有田でも、有機JAS認定のみかんは数少ないというか、ほとんどいない。約10年ほど前からEMを活用して無農薬・無化学肥料のみかんを栽培するのは宮井公幸さんだ。代々みかん農家だったが、お父さんが病気のために大企業のサラリーマンから転進。常日頃、規格にあった大きさや甘さを出す為に不自然な栽培をしていいのか、という疑問があり、「昔のみかんは、農薬を使わなくても毎年実をつけてくれた。もう一度みかんの木を自然に戻して、その恵をいただこう」と一大決心。400年のみかん栽培の歴史で、農薬や化学肥料を使った栽培は50年のこと。130アールの農園のうち、30アールを自然農法で裁培、2001年に念願の有機JAS認定となる。除草剤を使わないので、暑さの中での草取りは苦しいが、実りの秋はうれしい。このみかん、誰に食べてもらっても、おいしいと笑顔になる。炬燵も少なくなったせいか(まさかと思うが)、みかんの消費量は減るばかりと聞くが、売れないからといって、みかんの木を切らずに質のよい昔ながらのみかんを作る。割高でも、消費者はそれを食べる。みかんは日本の宝。