湯布院の中谷健太郎さん

newmoonakiko2006-02-01

大分県の湯布院温泉。1度は行って見たい温泉の筆頭として、人気がありますよね。NHKの人気番組プロジェクトXに登場したので、説明は不要かとも思いますが、閑散とした温泉街を住民の力で再生する主人公のひとりが、亀の井別荘の主人、中谷健太郎さんです。映画監督をめざして東京に暮らしていた中谷さんが、旅館を継ぐために帰郷。「自分たちが大好きな」街をめざし、湯布院映画祭などどこよりも早く芸術的なイベントを行い、その結果、日本一愛される温泉地になるという物語は、今では街づくりのお手本と言われています。
仕事で湯布院に伺った折り、思いもかけず、中谷さんにお会いすることが出来ました。実はこの時、湯布院では合併問題がおこり、若手議員を中心にさまざまな議論が始まっていたのです。中谷さんは、「合理化のための合併は絶対反対であり、国の勝手でその土地に住む人たちの営みのしくみを変えることは許さない」と強い口調で話されていました。
それから、3年近くがたち、湯布院は合併して由布市となりました。改めて湯布院町のHPを見ると、ここに至るまでの道のりは、すさまじいものがあります。住民条例の制定否決、町長リコール、元町長の再選などなど。たぶん、町は合併問題で二分されてしまったのでしょう。人間関係のひずみも生まれたことでしょう。写真は、昨日いただいた葉書です。「否」は中谷さんの無念でもあり、また故郷への熱い想いのようにも、受け止められます。平成の大合併、これはなんなのでしょう。