脳が退化している?

newmoonakiko2006-03-12

第25回公文障害児指導研究大会に参加してきた。障害のある子に知的教育は不要という「常識」を払拭して、「どの子も伸びる可能性を秘め、知的教育が将来の自立のために重要である」という価値観に変革するーというのが、研究会のミッションである。私にとっては、当然至極なことであり、その方法手段は多少なりとも提案できる。例えば、教室にきた時は、すべてのコンセントを抜いていた自閉症児は、足し算ができるころには、その奇妙なこだわりが消え、今では健常児とまったく変わりなく学習している。読み書き計算と行動様式の変化を結びつけることは短絡と思われるかもしれないが、今や脳科学の発展はすざましく、脳の前頭葉の働きによって証明できるようになった。
脳の前頭前野機能は、理性的判断をする一番大切な場所なのである。ここを働かすには、単純な読み書き計算の効果が高い。これは、東北大学川島隆太先生の研究結果である。一方、コンピューターゲームやネットゲームは、この前頭葉を働かすことはないということもわかっている。さらに医療少年院精神科医岡田尊司さんは、著書「脳内汚染」(文藝春秋)で、臨床的にも、引きこもり、切れやすい子ども、大人の幼児化なども、ゲームやネットの影響が大きいと警告している。要するに脳からみれば、前頭葉の退化が進んでいるのである。これからは、若年性痴呆症が増えるというのも、当然の帰結かもしれない。
障害を持って生まれてきても、働きかけによって知的にも伸び、人格的にも成長していける。なのに身体満足にして生まれた子どもたちが、なぜ壊れていかなくてはならないか・・と、時折り深刻に考えている。もちろん、私には手に余る問題だけれど。

社長室の一隅から始まった研究会。今年の会場は東京ビックサイト。全国から1000人近い公文式指導者が集まった。写真は、教室の子ども作のきり絵。子どもたちは、折り紙が好きだ。