宅急便の功罪

newmoonakiko2006-05-18

「毎日朝食はこれにして」と息子が言っているのが、このバタジャムトースト。ポイントは、苺ジャム。千葉の高安農園の苺といえば、昨年テレビで紹介されてか今や大ブレーク。収穫が注文に間に合わないほどの人気だ。慣行のハウス栽培から有機たい肥を使ったハウス栽培へ、ほぼ10年の歳月が必要だったという高安さん。彼女は、有機たい肥の製造者といつも一緒にあらゆる勉強会に出席していた。ふたりはご夫婦、と思っていた人は少なくない。夫婦ではないと知ったとある人が、高安さんを冷やかし半分にからかった時、彼女が烈火の如く怒ったという。「有機たい肥を作る人と農業をやる人とが二人三脚で進まなくては、有機農業を実現できない。私ら、プロだよ」ということなのであろう。かっこいい、おばさん!
その高安さんを今一番悩ませているのが、宅急便での全国からの注文。食べ頃を選んで収穫して箱づめするのだが、それでも粒が不揃いだとか、傷んでいたとかクレームが尽きない。
農家のプロではあるが商売のプロにはなれない。クレームがあるたびに落ち込んでしまう。「農園にきてくれる人だけに分けたい」と言うまでにすっかり弱気になってしまった。中身は苺なのだ。生き物を宅急便で送れと言っているのだ。多少のリスクはあって当然と考える人しか、生鮮食品の宅配便には近づかないで欲しい。でないと、私は高安さんの苺をもう食べられなくなる。

高安さんの苺ジャムは、三温糖使用保存料などの添加物はなし。素材がいいと、こんなにおいしくなるのか。「どんな高級ジャムよりおいしいね」と私が言ったら、息子が「俺、高級ジャムは食べたことないけど」と。ごもっとも。話はそれるが、ジャムにはバターがないとね。