いのちの食べかた

newmoonakiko2006-06-20

本屋の児童書コーナーで、読みたかった「いのちの食べかた」を見つけた。出版社は、理論社。寄り道は、ハッピーに生きるための近道。よりみちパン!セ。毎月1〜2冊刊行されているYAヤングアダルト新書の1巻だった。著者は、オウム真理教をテーマにした自主ドキュメンタリィー映画の監督・森達也だ。前半は「人間はほかの生き物のいのちを頂いて生きているのだから、自分のいのちを大切にしなくては」的なまっとうなお話である。しかし、後半、その牛や豚のいのちを頂くために具体的に殺す役目を負う人たちの歴史的な存在を明らかにしていく。いわゆる部落問題だ。私が、BSE問題を追っていて、危険部位が混入する解体場のしくみを知りたいと思ったことがある。しかし、畜産関係者にそこまで問題を追及しないほうがいいと暗にほのめかされた、その部分なのである。著者は、われわれは無自覚にいのちを食べているのではないか、無自覚に人を差別し、無自覚に人を傷つけているのではないか。目をそらさないで、真実を知ることが大事だと言っている。
まさしく、その通りだ。私の実感から言えば、真実を知ることさえ難しい闇が多すぎるのだが。しかし、絶望することもない。だんだんと、闇の部分が明らかになってきているようにも見えるが、どんなものだろうか。