たかが玉子されど玉子

newmoonakiko2006-07-04

教室のお母さんたちと玉子のお取り寄せをしている。山形・長井市の菅野さんの玉子。玉子が余る時期にだけ、いただくという考えだったのだが、あまりのおいしさに人気は高まるばかり。「次いつ?」の催促に無理を聞いていただいていたのだが、ついに「ニワトリが玉子を産まなくなるから、しばらくお休み」という通達がきた。メンドリのバイオリズムか。1年中おんなじように産むんじゃないんだ。それはそうだよな、シニアのメンドリもいるだろうし。そこはメス同士、「なんか分かるよね。」と笑った。さて、どうする?不自然な飼い方をされた普通の玉子には戻れない。いい玉子、悪い玉子の見分け方も知ったし。小田原にも菅野さんと同じような考え方で、自然養鶏をしている笹村養鶏場があるのだが、もう行き先は決まっていて分けてはもらえない。
そこで、以前仲間で取り寄せていた長野の橘農園の北沢さんにお願いすることにした。北沢さんは、街の生ゴミをニワトリの飼料にすることで地域の循環をつくろうと養鶏場を始めた方だ。太陽の下、ニワトリは野菜くずを朝食に学校給食の残りをランチにしているという。もちろん、抗生物質入りの配合飼料など食べていない。この鶏糞入りの畑で栽培した農産物も評判がよい。「ようやく、経済的にも安定してきたよ。でも、お金じゃない。孫たちのために農業をしているんです」昨年、東京でお会いした時はそう言っておられた。しかし、お世話係のKさんの「240個すぐに送ってくれるって、長野のニワトリは産み続けて、山形のニワトリは産まないんですか?」(産まないのではなくて、産む数が減るんだよ)「送料が高くて、1個50円以上になります!」(送料はいくら950円か、荷物が2個になったので2倍か)「6個ひびが入ってました。1個45円引いてくれるっていうけど、50円にしてもらいたい」(さすが主婦、要求するところはするね)とか諸々、発見や疑問を聞いていておもしろかった。
国は大規模ゲージ飼い養鶏を奨めて、菅野さんや笹村さんらの自然養鶏を規制する方向にある。卵子は楽園で生かされなくては、いい玉子になれないわよ。そうよ、そうよというメンドリの声が聞こえる。