板橋地蔵尊のお好み焼き

newmoonakiko2006-08-23

小田原箱根板橋の旧道は、23日の朝様変わりする。今日は板橋地蔵尊大祭の縁日なのだ。通称お地蔵さん通りに露天がならび、朝早くからお参りの人たちが行き交う。お好み焼き、たこ焼き、やきとり、ジャガバタ、地元宝パン(ボンジュールだが、この日は昔ながらの宝パンの方が通りがよい)の大福、下田豆腐店の豆腐(冬場のいなりずしが評判)、早川の干物・・ラムネ、カキ氷、ビール。漂う縁日の匂い。あんず飴をしゅぶりながら歩く大人も、なんだかチャーミングに見える。母が好きだった綿飴。
これをなめなめ歩いてる大人も子どももいなくなった。あの粗目の甘さ、懐かしいがそんなに食べたいとは思わない。スイーツ全盛時代、あの甘さは見るだけで十分。この露天も、O157食中毒事件のあたりから、出店の数がぐんと減った。確かに沿道で調理するのだ。衛生的とはいえない。けれど、露天の焼きそばで集団中毒がおきたことはない!と人生経験が長い夫は主張していた。露天の食べものと腹痛の因果関係を証明するのは難しかっただけではないの、いや、テキヤのお兄さんと闘うのもなんだし闇から闇へ葬った・と私は笑ったものだ。しかし、確かに縁日集団食中毒の話は聞かない。
ところで、この日に私が地元にいないのも珍しい。仕事を終えて帰ってきたら、参拝が夜になってしまった。お地蔵さまは、たかあい所からではなく庶民まで降りて、さまざまな悩みを聞いてくれるという。母親なら子どもが元気で暮らせますようにかな。身内が亡くなったら、3年お参りすると、この沿道で亡くなった人そっくりの人に会えるとも。夫もこのお地蔵さんが大好きで、元気な頃は、境内の屋台で飲み、土産にお好み焼きを買って帰ったものだ。もう、行き交う人たちの中に夫とよく似た人の面影を見ることはない。ただ、たちのぼる縁日の匂いの中に亡くなった人たちを想うばかり。
境内のお好み焼きが美味しい、と思うけれど。どうかな?