自分だけいいという人には環境問題はない

newmoonakiko2006-08-28

神奈川県三浦市は人口5万人。この街を訪れる人は人口の百倍500万人をはるかに越える。サーフィン、ヨット、釣り、三崎のまぐろ料理・・街の魅力は海に尽きる。しかし、この街の下水道普及率は20数パーセント。平成22年まで財政難のため、下水道工事は凍結。で、家庭雑排水は水路を通って直接海に入る。毎日、毎日。当然ながら、河口の悪臭、ヘドロ。これをどうするかが市の大きな問題だった。水環境課の職員がインターネットでたどり着いたのが、EMだったという。科学的データには乏しいが、効果があるならやってみる価値があると市長を説得。議会も通り、河口にEMを流し込んだら、悪臭も消え、ヘドロも減り、生物も増えてきた。海辺の住む人、ことに漁業組合の人に感謝されたのはいうまでもない。
しかし、問題は山の上に住む人たちだ。多くは勤め人らしい。自分たちの流した水が、海を汚しているとは思っていない。流したら消えて終わり。めんどうなことはやりたくない。市がEMとやらを流してくれたら、それでいいじゃない。じゃなくて、市民一人一人の環境に対する意識で海はきれいになっていくのに。水は高きより低きに流れる。上に住む人の意識、これがなにより問題なのだ。三浦市に環境ボランティア団体がひとつもないのは不思議だ。
三浦市のお隣の横須賀市。車で通ったら、長井有機農法研究会の鈴木浩之さん親子が、じゃがいもを植えていた。この畑、じゃがいも、ブロッコリー、キャベツ、メロンと4回のステージになる。マリーゴールドを植えて、その花を摘む消費者との交流の舞台でもある。自家採取のじゃがいもは、すべてその消費者の手に渡ることがもう決まっている。「うまいんだよ」と言われても、1個も食べられないんじゃね。さて、取材も終了。後は、書くだけ。と書くのは、簡単なんだけどね。