[食]新米の季節に

newmoonakiko2006-10-19

富山和子著「水と緑と土」(中公新書)は、私のバイブルだ。その富山さん編纂の日本のお米カレンダーが発行されてから18年がたつという。お米づくりをメインにしたカレンダーを作りたいという思いはあるのだが、このカレンダーがあればもういいかという気持ちにもなる。10月、刈り取られた稲が見事なまでに美しくハザかけされた写真に「(略)老人たち、そして数少ない後継者たち 自分の代で農業を捨ててはならぬと 他に職業を持ちながらの 超多忙の重労働だ 国土を守り国民のいのちを養う これほどの大切な農業が アルバイトでしかやっていけない今の日本は おかしい、政治が間違っている そうあなたは思いませんか」と記されている。私は、会議室の壁にかかったカレンダーのこの文章を読みながら、ほかほか弁当を食べた。500円のほか弁であっても、ご飯はおいしい。新米なのだろうか。国は、大型農業に直接支払い制を導入して、効率化をはかろうとしている。小さくても自分らしい農業をしよう、死ぬまで農業を続けたい、そういう老人や数少ない後継者の思いは切り捨てられる。2006年10月のこの問いは、いつもの年より重い。

http://www.ad-sun.com/komecalendar/about_cal/about_pub/index.html