[暮らし]ちょっと待って、小田原城下町ホール

恥ずかしながら、小田原の市民会館の老朽化は激しく、市民は新しい市民ホールを心から望んでいる。全国的にも、市民会館建設など、最後っぺではないだろうか。普通、最後になるとすでに出来ているものを比較検討でき、建築技術、音響、照明設備、計画的運営、低コストで最高のものが建つと思いませんか。それが、常識ではないかと私は思う。ところが、市が推し進めようとしている城下町ホールは、全面ガラス張り。非対称の多目的ホールで、毎年恒例の武者行列がホールを突き抜けていくという設計になっている。なぜ、街をねり歩く行列が、ホールの中に入らなくてはならないか。勿論、小田原の音楽連盟、演劇連盟など、文化団体は、このホールの構造自体に大きな疑問を抱いている。小ホールにいたっては、展示場との併用で、椅子をいちいち移動しなくてはならない。室内楽や小演劇に使うには、甚だ問題が多く、できたとしても、誰も使いたいとは思わないだろうという。なにせ、非対称のホールなど、前代未聞。音響はどうか、という疑問も多いが、そこは日本の技術。なんとかなるという。しかし、このホールにかかる費用は、70億とも80億ともいわれ、細部の変更よりも一時事業を凍結して、市民参加でよりよいものを作ろうという意見が、市民の中から出ている。小沢良明市長は、公約をたてに中断するなど一切考えていないらしい。市民ホールの建て替えは確かに公約だけれど、どういう市民ホールにするかまでは、明言していないし、選挙前には設計図は公表されていなかった。なんでもいいわけではないのよ。
新幹線に乗って、小田原の城下町ホールで行われる演奏会や演劇を見に行こう!というぐらい、大規模ではなくてもいい、中身の充実したホールが欲しい。アーティストたちに愛されるホールであって欲しい。こんな真っ当な市民の声がどうして届かないのだろう。今晩の「市民ホールを考えるワークショップ」では、タウン誌への意見広告、街頭署名運動などが決まり、市民の本格的な運動が始まる。駅前高層ビル、ポートピアに続き、またまた、小田原市民の力が試されている。どこか、また、テレビ局でも取り上げてくれないかしらん。