[食]食べ物は自己責任か

newmoonakiko2007-07-26

肉の変わりに段ボールを入れた肉まんとか、オーストラリア産牛肉を国内産と偽って給食に卸したとか、食に関する偽造、疑惑は後をたたない。食にかかわる人たちの言い分は、「安いものを欲しがる消費者が悪い」と、責任の矛先を消費者に向けている。人間の平等を何よりも重んじる進歩的な人も、「食は自己責任」と主張する。本当にそうだろうか。
給食の表示偽造問題も「給食は、安全安心でなくては・・」とか、教育委員会の方が話していたが、安全安心は給食だけではない。たとえ、100円のものであっても安全安心でなくてはならないのではないか。「安くしておくから、買え。中身は問うな」では、話が通らない。
なぜなら、生き物は、人間だけではなく、ペットの犬や猫でさえ、食べ物なしには生きていかれないからである。車なら乗らないという選択はありえる。しかし、食べないという選択はありえない。なら、自給しろというが、本気だろうか。食産業や流通関係の知識不足と倫理感と想像力のなさ、単なる金儲け主義が、我々の生存権を脅かしているとさえ、私は思う。

なんてことを、箱根の某ホテルの庭で考えたわけではない。むしろ、そういうことは忘れようと、駅から箱根行きバスに乗ったのだ。乗ったバスの行き先は「箱根関所」だった。というわけで、芦ノ湖に浮かぶ海賊船を眺める。夏休みといえども、人は少ない。旅人のように、あるときは住人のように箱根を歩く。ささやかだが、幸福な時間。