子規と虚子

newmoonakiko2007-12-12

明治の作家、斎藤緑雨が、小田原について「山よし海よし天気よし」と喝破している。簡単明瞭の13文字。さすがだ。
根府川や石切る山の青蜜柑 
これは、正岡子規。子規が、根府川に来たんだというだけで、想像が膨らむ。下の道から山を眺めたのだろうか。色彩の対照といい、石と蜜柑の対比といい、いかにも子規らしい句に思える。さすがだ。
宗我神社曽我村役場梅の中 
これは、高浜虚子。曽我にある雄山荘ホトトギスの同人による句会が開かれた。一行は、この一帯の梅の里に驚愕したという。この句は、雄山荘近くの城前寺境内の句碑にしたためられている。そがじんじゃそがむらやくばうめのなか そう、みんな梅の中なのだ。
このような句にであうと、心象俳句などつまらないものだと思うばかりだ。