アメリカ産牛肉は大丈夫か?

newmoonakiko2008-03-02

結論は、大丈夫じゃない。今日、福岡伸一青山学院教授の話を聞いた。著書「生物と無生物のあいだ」は50万部の大ベストセラーだそうだが、話も明快、この機会にめぐり合えてラッキーだった。生命とは、時間が織りたたまれた、絶え間のない流れでありー動的平衡論、20世紀の機械的生命観には否定的な立場をとる。ここから導かれる結論は、ES細胞、遺伝子組み換えなどは、生命のしくみに沿った技術ではないと断言している。福岡教授の生命観は、市民の感性には受け入れらているとは思うが、学会ではどうなんだろうか。フェアな論争を聞いてみたい。

話の中で、狂牛病は人災であるということが、淡々と語られた。最初に狂牛病が発生したイギリスで、死んだ羊や牛や豚を大がまでグツグツ煮て、・・こういう表現は、リアル、それを乳牛に食べさせていたのだ。実に人間はおぞましいものだと思う。さらに中東戦争で石油が高騰したときには、圧力をかけて煮沸する時間を短縮したばかりに病原菌を死滅させることができなかった。この結果、イギリスでは牛18万頭、人間160数人が死亡した。

1988年、肉骨粉は規制されるが、あくまで国内規制で、輸出はされ続けた。自分のところで規制したものをどうして輸出するのだろうか?日本でも、国内で規制された農薬を海外で長い間売りさばいていた。そのお陰で、回りまわって、有機リン系農薬入りの輸入食材を食べさせられている。

日本では、牛34頭、人間ひとり死亡。日本でもすみやかに肉骨粉の輸入を規制すれば、犠牲はなかったものと思われる。現在の日本の狂牛病対策は、①全頭検査 ②特定危険部位(脳、脊髄、扁桃、回腸)の除去 ③肉骨粉使用の全面禁止 ④トレサビリティの実施 と厳重な方策がとられている。かたや、アメリカは、①0,5%のぬきとり検査 ②脳、脊髄除去は、30ケ月以上 ③肉骨粉製造継続 ④トレサビリティはなし という。アメリカは20ケ月以下検査なしで輸入再開を要求している。食べ物は自己責任とはいうが、たったこれだけの情報も、あまり知らされてはいない。早い話、牛肉を食べたいなら、高くても国内産を!

48歳には見えない福岡先生!