事故米はなんだった

newmoonakiko2008-12-28

26日農林水産省の岡島正明官房長が辞任した。官房長は11月に事故米問題で懲戒処分を受け、政府の有識者会議の調査報告で「責任は最も重い」とされ先月の処分対象の25人中で減給2か月の懲戒処分を受けていた。事故米による責任を取ったと思われるが、石破茂農相は岡島官房長の退任は事故米と関係がないと説明したという。

では、事故米の責任は誰にあるのか?あの時期米を研ぐたびに考え込んだ主婦が多かったのではないか?我が家のお米は、山形産の有機米で産地直送。当たり前ながら、事故米とは無縁である。だからこそ、お米を冒涜されたように感じて、怒りでいっぱいになったものだ。

1993年のウルグアイ・ラウンド合意で、日本は外国産米の輸入を制限する見返りに、MA(ミニアム・アクセス)米の輸入機会を提供するということになった。ただし、義務ではないという。2008年には129万tの在庫を抱えている。輸入先は、アメリカが主だったが、今は中国が主だ。政府が入札を行い、落札した商社がその価格でコメを調達する。みそ、菓子メーカーに販売したり、援助用に回されている。 実は主食用に毎年10tもの米を輸入しており、この米は産地偽造するか、国内産とブレンドして売られていた。それが安い米の実態だったのだ。安価な米が、国内産の米価を引き下げていたのだから、なにをかいやんやである。

そのMA米に基準値を超える農薬の「メタミドホス」が検出され、さらに「アフラトキシンB1」という猛毒のカビが発生したことが発覚。食用にできないコメをのりの原料など工業用に用途を限定して国が民間業者に販売し、その汚染米事故米をこともあろうに米菓など食品加工用に転売してしまったのだ。食用にできない米をなんの目的であれ、国内に流通させた国の責任は大きい。輸入国につき返すのが、筋というものだろう。MA米を扱うOMIC(海外貨物検査株式会社)という国の天下り機関の存在も怪しい。ともかく、世界的な食糧危機なのだ。高額な税金で米を輸入する必要はない。自国で食べる米ならば、もう少しまともな農薬の使い方をするだろうし、カビの発生率も低くなるだろう。

そう、主食である米さえ、国に任せられないと改めて気づいた次第。お正月のお餅が、白鷹町加工研究会から届いた。殺菌剤などの農薬、化学肥料不使用の餅米をついたお餅。こんなまじめな生産者と加工業者がいることをぜひ、たくさんの人に知って欲しい。。生産者の菅野芳秀さんは、山形県長井市レインボープランの立役者だが、同時に優れた有機農家だということも、このお餅を食べるとわかる。小田原では、和菓子屋「菜の花」で「福の餅」という名の季節限定のし餅として販売されている。小田原成田の自然農法農家片野隆夫さんの黒米入り餅も、おすすめだ。来年は、生活クラブ生協でも手に入るとか。今のところ、白鷹町と小田原でしか売ってません。

白鷹農産物加工研究会
http://www1.shirataka.or.jp/noukaken/saibaikijun.html