地域自給率


自給率をあげるためにどうすればいいか、といえば、地域でできるもの、とれるものを食べればいい。新鮮でおいしくて安い。板橋、早川、風祭あたりには、こういう大小の直売所がたくさんある。ほとんどが無人の直売所だ。兼業農家のおこづかい稼ぎといわれているらしいが、主婦たちには人気だ。

小田原では、有機農業推進協議会なるものがいよいよ発足。今まで、有機農業を行ってきた4団体が知恵を出して、国のモデルタウン事業への申請を行う。JAも参加するというし、地元の人間にとってはうれしい話だが、まだ、有機農業を普及させるという生産者側の論理しか見えてこないのが残念だ。地域農業と地域社会を結びつけ、地域内自給を高め、このことにより地域の自然環境を守る、その手段としての有機農業なのだと思う。生産者と消費者が混在している小田原ならば、できるのではないかと思うのだがどうだろうか。消費者が生産者になれる可能性もある、と書くと、そんなに農業は甘くないといわれるかもしれない。

しかし、潜在的には自分の食べる野菜ぐらい自分で作りたいという思いがあるから、スーパーの野菜よりも直売所の野菜の方が魅力的に映るのだ。ロンドンでは、市が適地を選定して耕作を希望する市民に貸し出すプロジェクトを昨年から始めたという。耕作地は、病院、学校、公園、公共サービス事業体、公共住宅地などが提供する敷地。担い手は、NPOで、発足当初は補助金で支えられる。地元で生産と消費が増えれば、食べ物を得られるだけではなく、グリーンな住みやすい都市になり、温暖化ガス発生の削減にもつながると市長は述べている。日本の市民農園的発想をはるかに超えている。日本も真剣にならなくてはね。国の自給率をあげるためには、地域内の自給率をあげるしかないのだから。