ぞうのエルマー

本のない暮らしは考えられないが、これから童話や絵本に囲まれることはないというのが少し寂しい。自宅で教室をやっていた時にも、家の本棚を子どもたちに開放していた。私が読めない哲学書を読破した中学生もいたっけ。ノンタンを幼少時代に読んだ子が、聖書から毛沢東語録まで読破した。彼らは今では40歳になろうとしている。

あらためて本棚を見ると、ぼろぼろになっている絵本が何冊かある。その中のひとつが、仕掛け絵本「ぞうのエルマー」だ。何回もセロテープで補修してある。異端のぞう、パッチワークのエルマーの心の旅路なんだけれども、目で見るだけで、元気をもらえる。幼い子どもたちは、まるでジャングルに迷い込んだような、ワクワクした気持ちになったのだろう。みんなの手のぬくもりがまだ残っていて、なんだかとてもいとおしい。

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=1621