[食]おや?

毎日新聞に掲載された食と科学ー生命の対話。英国初代食品基準庁長官ジョン・クレブス上院議員の特別講演は噴飯ものだ。まず、健康リスクは、がん、脳血管疾患、糖尿病、食べ物の誤飲などによる窒息死、子供の事故であり、残留農薬食品添加物、BSEではない。さらに「オーガニック農産物は通常の農産物に比べ、安全性と健康への効果の点で差がない」。有機農産物の栽培は環境にはよい面を持つが、健康への効果で優れているわけではなく、また食料問題を解決する手段ではない、と。今後の食料需要やエネルギーの増加が予想される中で、水や肥料が少なくても育つ遺伝子組み換え作物などに期待がかかる。科学的な根拠を基本に食や健康を考えてゆくことが大事なのです、と結んでいる。

主催は、東京大学大学院食の安全研究センター、共催味の素。そもそも世界で最初に草食動物の牛に共食いをさせた英国に食と科学について語れるかという感情がある。事実、BSEの発生を機に英国でも有機農業が注目されて、全農産物の2パーセントが有機となっていたはず。ちなみに日本の有機農産物は、0.1パーセント。英国ではオーガニックマーケットも増加しているという話でもあった。有機農産物のすべてが安全とはいえないが、病気と農薬や添加物との関係に科学的根拠がないと本当に言えるだろうか。世界の流れに棹さすこの発言を英国民は信頼しているのかな。あるいは、これが世界の流れ?
なら、私は止めたい。