東大寺鏡池

newmoonakiko2009-11-23

奈良で開催された「EMサミット近畿in奈良」に行ってきた。注目は、東大寺の庶務執事が東大寺のEM活用の成果を発表することだ。会場の「なら100年会館」ホールには、なんと1100人が集まって、関心の高さが伺える。

ちょうど1年半前非公式に取材させていただいていたが、その時は庶務執事には笑顔もなく、まだ外部に発表する段階にないと成果を期待しつつも厳しい表情だった。実は、すでに池の水質改善や松の立ち枯れ病対策、鹿の糞の悪臭対策にEMが使われていて、それなりの成果は出ていた。でも、あくまで慎重に水質検査を重ねながら、実績を積んでいたのだ。

今日、執事のEM成果よりも興味深いのは、PH4にもなる酸性雨や黄砂による樹木の衰弱、土壌の劣化などである。平城遷都1299年、大仏開眼1257年。この東大寺の敷地の自然環境の変化だ。東大寺には大仏殿、二月堂はじめ、歴史的な建物があるのだが、実はそれを支えているのは周辺にある自然環境なのである。松や池や丘、土と水、すべてを含めて東大寺という歴史的遺産ということだ。1300年にもなる歴史の中で急速に自然環境は悪化したのだろう。どうこれを解決していくか。行き着いたことは、自然の力で自然を回復させることだった。人間の腸内細菌を整えるように自然を底辺で支える微生物を整えてあげる。EMの効用はそのことに尽きる。

しかし、庶務執事は実に愉快な方であった。ユーモアを交えた発表は、満場の拍手を浴びていた。写真の鏡池、1年半前はヘドロで悪臭が漂っていたが、今は、名前の通り鏡のような池に甦った。