国際有機農業映画祭

27-28日二日間わたって代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで国際有機農業映画祭が開かれた。昨年から実行委員として参加しているが、企画から運営まで市民参加で実に面白い。昨年も食と農をめぐり厳しい状況だったけれども、今年もその動きに歯止めをかける具体的な動きも見出せていない。食の安さ競争は依然として底なしで、このままいけば、日本の農業は立ち行かなくなり、スーパーの店頭から米や生鮮野菜が消えることもありえるのだが、誰もそんなことは考えもしないし、考えたくもない。

中国を含むアジアの国はもっと悲惨だ。昔は伝統的農法で食べていけた農民が、輸出するための換金作物を作ることで、農薬や機械のために借金をし、出稼ぎ労働者になって都会や海外に流れているという現実。たくさんの農民の犠牲の上に安い食べ物があることに食糧輸入国の日本人は気がつかないといけない。しかし、アジアの国々にも希望がある。国や農民が、有機農業に転じて地域の暮らしを立て直そうという動きがある。その地域にあった有機農業を可能とする技術もある。メジャー資本に頼らない農民が世界各地で誕生した時、皮肉にも日本人は食べ物を失う。

映画祭の2日間は、神奈川県大和市有機農家・片柳義春さんの野菜を使ったお弁当だった。スタッフは元気に気持ちよく動けたのも、このお弁当のおおかげだろう。昨年から、何度となくセンターの食堂で効率と安さを追求してきたような食の見本を食べているが、国内だけでなく海外から集まる青少年にこれでよいのかと考えてしまう。低コスト、誰でもできる有機農業をあらゆる知恵と人々を動員して普及していくしかない。事業仕分けでは、有機農業支援事業すべて廃止となったらしい。そもそも国に食を任せたのが間違いだった。食も地域分権。地域の自給率をあげる。ないものは、地域交換する。オルタナティブな市民市場ができたらいい。

片柳さんのHP
http://members2.jcom.home.ne.jp/nanairobatake/page043.html