国際有機農業映画祭その2

newmoonakiko2009-11-30

映画上映の前に解説があるのが、この映画祭のおもしろいところだが、今年は有機農業実践者のトークラオスとタイの農民の現状報告があった。映像と生きた人間の証言の組み合わせの妙ともいうべきか。農民の話は、マイナーな会合でしか聞けないが、これが普通の人(有機農業映画祭に来る人が普通の人といえるかどうかは疑問だけれども)に伝わっていくことは意義があることかもしれない。

今回は、化学肥料に依存する大規模農業で立ち行かなくなったアジアの農民が有機農業に転換することでくらしを立て直す姿や、石油がなくなるという体験をしたキューバ有機農業で危機を脱した様は、もはや人事とは思えない。

そのトークに出たのが、あしがら農の会の相原佑子さん。南足柄市で親豚を含めて21匹の豚を飼って暮らしている。今、室内で豚を飼うのが若者の間で人気だそうだが、佑子さんは農業の中でも養豚を選んだと言うのだから相当豚が好きらしい。地域の有機物を食べた豚は自分で解体して地域の人に買ってもらう。大型養豚場とは対極にある小さな循環養豚にこそ未来があるのではと思わせる実に明快な話だった。しかし、私がたじろぐほどしっかり者の佑子さん。もっとも、いい加減な人間には生き物は飼えない。