忍顕さんご夫妻の授賞式

newmoonakiko2010-02-26

第11回全国果樹技術・経営コンクール(JA中央会、連合会、全国果樹研究連合会などが主催)の表彰式に行ってきた。こういう場面を取材するのは、珍しいことで、自分が表彰されるのでもないのにドキドキしてしまう。

表彰されたのは、青森県板柳町有機農家、福士忍顕さんと妻の彩子さんだ。福士さんは、経営面積420アール。リンゴ270アール、さくらんぼ20アール、水稲120アール、梅、なし、プラム栽培を行う複合経営農家。数年目、雨よけ栽培のさくらんぼ農園で、さくらんぼをより分けながら話す忍顕さんに会ったことがある。しかし、その時は、板柳町の苦境を知らなかった。

実は、町のリンゴの農家が無登録農薬を使用していたことが発覚し、町全体がピンチに。忍顕さんによれば、火が消えてしまったような町になってしまったとか。そこで、立ち上がったのが、町の行政マンと有機農業研究会の代表の忍顕さんだった。

そこでできたのが、「りんごまるかじり条例」。ピンチをチャンスに!すべての農家が、特別栽培農作物を目指して使った農薬を公開し、消費者の信頼回復につとめたのだ。地域の栽培ガイドラインを策定したのも、忍顕さんだ。その結果、今では、青森の安全安心なリンゴ産地として全国から支持されるに至っている。

栽培技術、経営、地域貢献が、高く評価されて、生産局長賞受賞となった。
胃がんになったときも、目の前が真っ暗になった。でも、病気を機会に自然にそう農業に転換して、生き延びた。
8年前の農薬騒動は、もっと苦しかった。でも、町まるごと有機農業にかえることで、地域全体が再生した。
ほんとうにピンチこそ、チャンスなんだ。
おめでとう!忍顕さん、彩子さん。