ミミズ殺傷事件

私が今涎(よだれ)が出るほどうらやしいと思うのは、20坪の家庭菜園をひとりで楽しんでいる女性だ。台所でEMぼかしを使って生ゴミを堆肥にしている。EMボカシも自家製。有機肥料も手づくり。夫は、農業には無関心なので、生ごみが入ったバケツをバイクに運んでくれるだけ。とうがらしだけ、作ってね、というのが、彼の希望らしい。

別の友人は、じゃがいもの定植の仕方でもめて、結局、彼女は別の畑を借りることになったのだから、無関心のパートナーというのは、結構悪くないのかもしれない。別の女性は、体調が悪いので、畑に来れない。でも、畑は手放さない。みんなで畑仕事を手伝っている。この間は、私とも共通の友達が、東京からわざわざ来て夏野菜の植え付けをしていたという。「トマトがなるよ。がんばろうね」。

まぁ、あんたは仲間だから草をはやしていてもいいけど。といわれたのには、ちょっとこたえた。しかし、私の畑、ミミズがたくさんいて、浅く耕したら、ミミズを直撃。殺傷したと思ったのだが、これは錯覚だったのかも。死んだふりしてるだけなのかもしれないな。生ごみが微生物たちのお食事になって、土の中の生命を増やしているのを実感する。

1センチの土ができるには、100年かかり、作物を育てるには、少なくても10センチの土がいるというのだから、食糧を生産できる土にするためには1000年かかる計算になる。100年先じゃだめ。1000年先を考える。私たちは。途方もない時間の上に生きているんですね。