ミミズは何者か

ミミズを見ながら哲学している私は、いつもながら変です。ミミズは環形生物に分類される生物の一種だけど、虫ではない。でも、モグラなんかと一緒にできる動物でもない。土の表面近くに生息しているようで、生ごみを土に入れると餌がきたと寄ってくるのか、誕生するのかわからいが、観察していると「うまいぞ」という声すら聞こえる。ミミズには生ごみを分解する酵素があって、その酵素が糞を通して土に混ざる。その上、チッ素固定菌とういう植物にとってはありがたい菌も糞に混じっていて、土を化学的にも変化させる。しかも、ミミズは土をかき混ぜてくれるので、土の保水性という植物にとってはほどよいベットにしているらしい。

口と腸と肛門しかないように見えるのになかなかのものではないか。しかも、作物よりも窒素の含有量が多い死体は、すみやかに分解されて土壌の養分になる。死んでも誰かの役に立つ。ミミズばかりでなく、土壌の生き物は、私たちの見えないところで、生命の受け渡しをしながら、複雑なしくみと多様な働きの舞台を作っている。生ごみを土に還していくと土が生きていることを実感する。それを見せてくれるのが、ミミズだ。たかがミミズ、されどミミズ。