いい野菜が売れない

1850万人の会員をもつ生協組織のトップである若森資朗理事長。先日の有機農業全国会議で野菜の販売量や販売額が他の食品と比べて極端に少ない点をあげて、「有機農産物のよさを会員に伝えきれていないのではないか」と流通の力不足を詫びていたが、本当にJAS認定であろうと無農薬であろうといい野菜が売れない。

JR大船駅のすぐ近くに自然食や環境に負荷をかけない洗剤などを販売する店舗があるのだが、水曜日には有機の野菜が並ぶ。だが、店のスタッフの思いとは裏腹にいつも売れ残ってしまう。野菜担当者の若者は、どうしてこんなにおいしい野菜が売れなのかと毎日悩んでいる。

一歩通りを入れば、世界中から集まった安い野菜が並ぶ市場で、いつもたくさんの人で賑わっているのに。私には、無理に無理を重ねて育てられた生命力のない野菜のように見えるのだけれども。今はイタリアの農家で修行をしている元野菜担当のKくんも、悩みに悩んだひとりだ。すべて言い値で仕入れてくるが、まともな掛け率をかけるとこれが売れない。慣行農法とおなじ価格なら、有機農家が苦労することもないんじゃないか。有機野菜では、自分の給料分も稼げないと。

有機農産物のよさをどうみんなに知らせるか、若森理事長だって悩んでるんだから、そう簡単に消費者に理解されるわけはない。若者よ、一緒に悩もう。売れ残った野菜を原価で買って生き延びている私が言うのもなんだけど。なお、水曜日に有機野菜が並ぶお店は、モノレール大船駅の前、中原ビル4階、シャボン玉石けんの旗がかかっています。