元イケメン


同じ「土と平和の祭典」のメインステージにたつ金子美登さん。有機農業のカリスマと紹介されていた金子さんが、「実は、大きな賞を頂くことに・・・」と小さな声で言っていたのは、金子さんが住む小川町・「下里農地・水・環境保全向上対策委員会」(代表・安藤郁夫)が、むらづくり活動部門での農水産省天皇杯受賞だった。

金子さんが、有機農業を始めたのは、1971年。市場開放と農薬化学肥料一辺倒の近代農業真っ只中。大いなる疑問を自ら解決するために有機農業実践者となるのだが、それは同時に地域の変わり者として生きる選択だった。金子さんの結婚の披露宴には、金子さんの野菜を毎月のように取り寄せていた『複合汚染』の著者・有吉佐和子さんや、婦人参政権運動のリーダー市川房枝さんが駆けつけ、有吉さんが金子さんの、市川さんが妻の友子さんの主賓だったという。いかに金子さんが、次の社会を動かす若者として期待されていたかが想像できるエピソードだ。今は亡き有吉佐和子さんも市川房枝さんも、きっと金子さんにあの世からパワーを送っていたことだろう。

そして、金子さんは小川町の町議にもなり、集落ごと有機のまちにしてしまった。農を中心に人と資源が循環する村。古くて新しい村だ。詳しくは、こちらから↓
http://www.ecopure.info/special/2008/001/reportage01/index.html

さて、金子さんの後ろに座る農家の面々は、顔が半分写っていないが左から山形県高畠町の米沢郷牧場の伊藤幸蔵さん。愛媛県西予市の無茶々園の宇都宮俊文さん。 千葉県山武市農事組合法人さんぶ野菜ネットワークの富樫亜喜博さん。そして、山形県長井市レインボープラン推進協議会の菅野芳秀さん。もう、舞台にあがって若者のようにドキドキする年齢じゃない。芝生で寝転んで話を聞く若者たちも、カボチャかなにかに見えたことだろう。しかし、農家の平均年齢66歳となれば、もしかしてまだ地域では若手かも。ちょっと疲れてみえるけど、元イケメン。みなさん、がんばって。