[食]田んぼの地熱

田んぼからすべて学んだというのは小田原市でキウイやレモンを栽培する有機JAS認定農家の石綿敏久さん。外気温2度のとき、石綿さんの無肥料の田んぼは、地温5度、となりの慣行農法の田んぼの地温よりも2度高く、雪が積もっていない。地温が高いのは、たくさんの微生物のエネルギーか。「まぁ、人間で言えば、血流がいいんだよね」。地温が高くなるまでには、3年目から変化し、だいたい5年で安定する。

下の棒グラフは、石綿さんが指導する久野小学校の有機田んぼのもち米の収穫量だ。8年目から収穫が増えている。極端に低い年は、冷害と鳥害が原因だ。肥料を入れずに米が作れる?入れないほうが米は採れる。そして、15年たっても石綿さんのお米は腐らない。化学肥料なくして人口は養えないというのは、もしかして間違えだったのではないか、と思う。

石綿さん、自然農法を絵に描いたような男の顔じゃないか。この春、青森の有機農家へ弟子入りした息子よ、しっかり修行していい男になっておいで。