議会が責任をとれるのか

小田原を留守にしていたら、とんでもない決議が議会から出された。横浜市鎌倉市で計測された冷凍ミカンの放射性セシウムは、3〜9ベクレル。確かに国で決めた100ベクレルよりはるかに低い。しかし、この両市は、子どもの給食に出す食材としては不適当と判断した。これに対して、風評被害だとして小田原市議会は、学校給食に使用継続を検討してくれという決議を行ったわけだ。率直、どちらの自治体が子どもへの愛があるか説明するまでもないだろう。子どもに食べさせる、ことに選択できない給食は、放射能汚染のない食材にするのが自明の理である。大人の近視眼的経済のために小田原市の子どもたちは、放射能汚染した食材を給食に出されても、いたしかたないことになってしまった。だって、他の市の子どもには食べさせるのをよしとして、なんで自分の街の子どもたちだけNOと言えるだろうか?むしろ、小田原の農産物は、すべて放射能検査を行い、公開することを決議し、市民、および国民が選択できる道筋をつけることが道義的責任のあり方ではないだろうか?ミカン農家をはじめ農家の苦悩は、心底理解できる。しかし、こんな決議で解決できるほど放射能は甘くはないことを議員は知るべきだ。

以下、東京新聞から転載。
県内産冷凍ミカンから微量の放射性セシウムが検出されたのを理由に、横浜市鎌倉市が学校給食で冷凍ミカンの提供を中止している問題で、ミカンの生産量が多い小田原市の市議会は十四日、「農産物に対する風評被害の拡大につながりかねない」と、給食で冷凍ミカンの提供を要望する決議案を賛成多数で可決した。

 決議案は七会派のうち六会派の代表が連名で提出。「農産物の生産に励む県内農家の存続を危うくさせる憂慮すべき事態」とも記した。署名を見送った会派の議員は「自治体にも独自の安全基準を設ける権利はある。生産者保護は国などに訴えていく」とした。

 県内産冷凍ミカンは、横浜市鎌倉市などが独自に放射性セシウム濃度を測定。国の新基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を大幅に下回ったが、保護者の要望を重視し、給食での使用を中止している。 (横光竜二)


http://www.city.odawara.kanagawa.jp/global-image/units/96773/1-20120614145313.pdf
提出議員:今村洋一、関野隆司、安野裕子、井原義雄、野坂稔、大村学
署名しなかった議員:佐々木ナオミ、植田理都子